

- かぎ針編みを始めたいけど、種類ってあるのかな?
- 自分に最適な一本って、どうやって選ぶの?
ひとことにかぎ針と言っても、針軸の太さや素材はさまざま。
また、メーカーによっても特長が違うので、何を選べばいいのか迷ってしまいますよね。
わたしは編み物を初めて20年以上。かぎ針編みを実践する中で、基礎知識の重要性を学んできました。
基礎知識を知っているだけで、編み物に対する理解が深まります。
この記事を読めば、かぎ針の基礎知識から比較するポイントまでを理解することができます。

今まで「なんとなく」で編んでいる方も必見です!
かぎ針編み きほんのき
かぎ針編みは、編み針にループをかけ、針先のフックで糸をひっかけて、編み針にかかっているループの中からひっかけた糸を引き出すと「編み目」ができます。
これを繰り返していくと「編地」ができます。
知っておきたいかぎ針のこと

針先がフックになっている編み針をかぎ針と言いますが、針軸の太さで3つに分類されます。
- レース針
- かぎ針
- ジャンボかぎ針
レース針
レース糸を編むときに使います。普通のかぎ針に比べて針軸が細いのが特長です。
レース針は号数の数字が大きくなるにつれて針軸が細くなります。
号数 | 針軸の太さ d(㎜) |
14 | 0.50 |
12 | 0.60 |
10 | 0.75 |
8 | 0.90 |
6 | 1.00 |
4 | 1.25 |
2 | 1.50 |
0 | 1.75 |
かぎ針
一般的に「かぎ針」と呼ばれている分類です。
かぎ針は号数の数字が大きくなるにつれて針軸が太くなります。
号数 | 針軸の太さ d(㎜) |
2/0 | 2.0 |
3/0 | 2.3 |
4/0 | 2.5 |
5/0 | 3.0 |
6/0 | 3.5 |
7/0 | 4.0 |
7.5/0 | 4.5 |
8/0 | 5.0 |
9/0 | 5.5 |
10/0 | 6.0 |
針軸の太さは等間隔で増しているわけではありません。そのため、ふれ幅が一番大きい7/0号と8/0号の間に各社7.5/0号を作っていることが多いです。
メーカーによっては4.5/0号、5.5/0号、6.5/0号、10.5/0号などを製造し、ゲージの細かいサイズ調整に対応しています。
かぎ針号数の正しい表記は「○/0号」です。
読み方は「2/0号」なら「にれい号」、「3/0号」なら「さんれい号」。
この記事内で号数を表示する際は正しい表記を使用しますが、そのほかの記事では一般的に使用されている「○号」と表記しています。
サイズは国によって表記が違う?
世界で愛されているかぎ針編みですが、かぎ針のサイズや表記は国によって異なります。
海外のかぎ針規格や編み目の英語表記については、別の記事で詳しく解説しますので楽しみにしていてください。
ジャンボかぎ針
針軸が太くなり、7.0㎜以上になるとジャンボかぎ針として分類されます。
サイズ表記は今までの号数ではなく、ジャンボ7㎜、ジャンボ10㎜などミリメートルで表記されます。
号数 | 針軸の太さ d(㎜) |
ジャンボ7㎜ | 7.0 |
ジャンボ8㎜ | 8.0 |
ジャンボ10㎜ | 10.0 |
ジャンボ12㎜ | 12.0 |
ジャンボ15㎜ | 15.0 |
ジャンボ20㎜ | 20.0 |
また、編み針にはアフガン編みをするための「アフガン針」もありますが、ここでは説明を省略させていただきます。
ペン持ち、ナイフ持ち、正しいのはどっち?!

針の持ち方には2種類あります。
- ペン持ち
かぎ針を鉛筆のように持ちます。ほとんどの基礎本やレシピ本でこの持ち方が紹介されています。 - ナイフ持ち
ナイフのようにかぎ針を上から持ちます。針の向きが固定されやすい持ち方です。
かぎ針の持ち方に、正解はありません。自分が持ちやすく、編みやすいほうを選びましょう。

ちなみにわたしは2種類の持ち方を使い分けています。
作り目一つ一つに編みいれていくときなど、細かい作業はペン持ち。同じ編み方が続いて、ザクザク編んでいくときはナイフ持ちにしています。
かぎ針を選ぶポイント

ここからはかぎ針を比較する際に注目するポイントを説明します。
- 針の素材
- グリップの有無、素材
針の素材
針に使用される素材は主に以下の3種類です。
- 金属
- 竹や木などの天然素材
- プラスチックなどの樹脂
金属製
金属はすべりがよく、強度もあります。販売されているかぎ針のほとんどが金属製です。
デメリットはカチャカチャと音がすること。グリップが付いていても、針同士がぶつかって音がします。外出中に持ち運ぶときや、かぎ針をうっかり落としてしまった時などに気になるかもしれません。
メーカーや製品によって、加工もさまざま。外観からわかる特徴が「マット仕上げ」か「鏡面仕上げ」かの違い。
鏡面仕上げの針先の場合、照明の下で編むと光が反射して編みにくいと感じることも。この場合はマット仕上げのかぎ針を選びましょう。
ちなみに、針先を指で触ったとき、さらさらしているか、つるつるしているかも数少ない判断基準ですが、購入前にパッケージを開けて確認できないので現実的ではありません。
針先を素手で触ると、手垢・手汗・皮脂が付いてしまいます。
編み心地に影響するので、他人のかぎ針の針先を素手で触るのはやめましょう。
竹・木などの天然素材
金属アレルギーがある方や、金属の触り心地が苦手な方に向いています。
天然素材を使用しているため、使えば使うほど味が出てくるのも醍醐味です。
プラスチックなどの樹脂製
樹脂製は比較的安価で、軽いのが特長です。
しかし、力がかかりすぎると折れてしまうこともあるので注意が必要です。
グリップ付きのメリット・デメリット
鉛筆を長時間使用していると、鉛筆の硬さや細さで手や腕がだんだん疲れてきませんか?
かぎ針も同じで、針本体からのびる持ち手部分は細く硬いため、長時間使用していると手や腕に負担がかかります。
しかし、グリップが付くとどうしてもその分重くなります。昔からなじみのあるグリップがないタイプも、ファンの方はたくさんいます。
メリット | デメリット |
・握りやすく 滑りにくいので 力が入りすぎない ・長時間編んでも 疲れにくい | ・重くなる ・かさばる |
デメリットは正直あまり見受けられません。
「かさばること」に関しては、グリップなしのかぎ針よりはかさばりますが、ボールペン類と同じくらいの太さなので、あまり気になりません。
グリップの素材はエラストマーと言われる弾性のある樹脂が使用されていることがほとんどですが、なかには竹製のものも販売されています。
針先フックの形状
一見すると同じような形状の針先ですが、並べてみると少しだけ違いがあるのがわかります。

例としてチューリップの「エティモ レッド」と、クロバーの「片かぎ針」を比較してみると、以下の違いがみられました。
- ヘッド部分
- 鼻先
- 切り込み

メーカーによって針先の形状は異なるようですが、正直わたしにはこの微妙な差を感じることができませんでした。
形状による編み心地への影響が判断できないため、今回の比較ポイントにはいれていません。
かぎ針選びは意外と重要?
わたしは、初心者さんがかぎ針編みを始めるときはわざわざメーカーのかぎ針を購入する必要はないと考えています。
こちらの記事でも紹介しているように、初めてのかぎ針は100円ショップでの購入をすすめています。「編みたい!」という気持ちが冷めないうちに、気軽に始めてほしいからです。
しかし、もしかぎ針編みが楽しくなって「もっと編みたい!」と思えたなら、メーカーのかぎ針を購入することをおすすめします。
市販のスニーカーでも走ることはできますが、メーカーのランニングシューズのほうが走りやすく、体に負担がかかりにくいですよね。
かぎ針もメーカーのものを使用することで手や腕の負担を減らすことができます。
わたしは国内メーカーのかぎ針を全サイズ単品でそろえたあと、チューリップのエティモレッドを購入しました。
理由は、編みすぎで腕を傷めたから。(上腕骨内側上顆炎、いわゆるゴルフ肘になりました。)
そして編み物仲間に、その原因が主に使用していたメーカーの編み針かもしれないと教えてもらったことがきっかけでした。
幸運にもその編み物仲間が所有している数々のかぎ針を、1か月間貸してくれることに。
その中で一番編みやすく、かつ編み物仲間のおすすめである「エティモレッド」をセットで購入するに至りました。
編み物をする上で、かぎ針はランニングシューズのようなもの。長く、そしてたくさん編む場合は自分に合ったかぎ針を使用してください。
かぎ針が無くても編める?!

編み物をするのに、「編み針」は絶対必要というわけではありません。
チャンキーヤーンのような超極太の糸は、道具を使わず指や腕で編むことができます。
チャンキーヤーンを使った「マンドゥバッグ」は韓国で流行し、日本でもマネする人が続出。
筒状になった布の中に綿が詰められているクッションのような糸で、マンドゥバッグはもちろん座布団、ブランケットなどを作ることができます。
ダイソーで販売されていた2024年秋冬毛糸にもチャンキーヤーンがラインナップされていて、手編み界隈では話題になりました。
なかには毛糸をそのまま超極太にしたようなものも販売されています。
基礎知識があると編み物はもっと楽しくなる
ここまでかぎ針の基礎知識や、選ぶ際に比較するポイントを解説してきました。
- かぎ針の素材
- グリップが付いているか

かぎ針の基礎知識や比較するポイントは理解できたよ!
でも結局、どのかぎ針を選んだらいいの?

次回の記事では、国内メーカーのかぎ針比較とわたしのイチオシかぎ針をご紹介します!
コメント