

- 素敵な編み物作品を見つけたけど、自分でも編めるかな?
- かぎ針編みを始めたいけど、専門店が近くにないよ…
- 周りに編み物をしている人がいないけど、一人でできるかな?
実は、かぎ針編みを始めようとした初心者さんがつまずく最大の難関が、毛糸をはじめとした道具の準備から、編み始めを終えるまでなんです。
祖母から編み物を教わり、沼にはまって20年以上。編み物の事なんてまるで知らない超初心者の友人たちを何人も編み物沼にいざなってきました。
そんなわたしが、初心者さんに毎回伝える鉄板コースを伝授。初心者の方がつまずきやすい、「道具の準備」から「編み始め」までを丁寧に解説します。
この記事を読めば、必要最低限の時間と費用でかぎ針編みを始められます。みなさんの「編んでみたい」というわくわくした気持ちを全力で後押しします!
初めのうちは、100円ショップで販売されている道具でOK。基本的な編み方は、YouTubeに投稿されている動画を参考に。自分のペースで編み進めることができます。編みたいものが決まっていると、それに合わせたかぎ針や練習用の毛糸を選べるのでおすすめです。
編み物初心者さんに「かぎ針編み」をおすすめする理由
道具が手に入れやすく、種類も少ない

かぎ針編みに絶対に必要なものは次の3種類。
- かぎ針
- 毛糸
- とじ針
これさえあれば、かぎ針編みは始められます。
基本の編み方だけで小物からウェアまでなんでも作れる
かぎ針編みの基本的かつ使用頻度が高い編み方も3種類しかありません。
- 鎖編み
- 細編み
- 長編み
3種類の編み方を知っているだけで、小物からウェアまでなんでも編めます。

平面の作品はもちろん、かぎ針編みは立体的な形状を編むのが得意。かわいい「あみぐるみ」なども編むことができます。
可能性は無限大!
間違っても直しやすい(リカバリーが簡単なわけではない)
編み進めているうちに、目を飛ばしていたり、編み目の増やし方を間違えていたことに気づくことはよくあります。
棒針編みの場合、棒針にかかっている何十もの編み目をいったん外し、間違えた箇所まで編地をほどきます。そして再開するにはもう一度何十もの編み目を棒針に戻さないといけないんです。
このときに編み目を拾いきれず、また編み目を落としてしまう負のループにはまって挫折してしまう方が多くいます。

一方かぎ針編みの場合、かぎ針にかかっている編み目は一つ。
針から毛糸を外し、毛糸を引っ張ってしまえばするすると編み目がほどけ、間違えた箇所まで引き返すことができます。
そして再開するときも針にかける編み目は一つ。
ただ、言い換えると間違えたあとのリカバリーは「ほどくしかない」ということです。あと数段で終わるはずだったのに、序盤で間違えていて泣く泣く編地を毛糸に戻す「製麺作業」をしたという方はたくさんいます。

わたし自身、何度も「製麺作業」を経験しています。
みなさんはこんな思いをしないよう、1段ごとや区切りのいいところであ身時のチェックをするようにしましょうね…!
練習にはコースターがおすすめ

編みたい作品が決まっている方でも、まったくの初心者の方なら、まずは練習用に小物を編みましょう。
練習用に編むとはいっても、実際に使えるものをチョイスするのが◎
おすすめは次の3つ。
- コースター
- たわし(アクリル・コットン・ウール)
- コーヒーカップ用スリーブ
基本の編み方をしっかり練習できる上に、短時間で完成させることができます。
作品を選ぶときは基本の編み方3種類が入っている小物を作るのがおすすめです。
編みたいものを見つけておくことをおすすめする理由

みなさんには「かぎ針編みをやりたい!」「これを作りたい!」と思わせてくれた作品はありますか?
編みたい作品があると、このあと解説する道具の選び方にすこし関わってきます。
また、「作りたい!」という気持ちは一番エネルギーを使う「初動」で貴重な原動力。
エネルギー切れを起こしやすい「初動」こそ、「編みたい」と思った気持ちはエネルギー補給源になります。
ぜひそんな作品を見つけて、かぎ針編みの楽しさに触れてほしいです。
とはいえ、後述しますが毛足が長い毛糸や、編み目が見えにくくなる毛糸を使う作品は避けたほうが無難です。
100円ショップで必要な道具を揃える

道具をそろえるのに、専門の手芸用品店に行く必要はありません。
行き先は近くにある100円ショップです。
昨今のハンドメイドブームで、大手100円ショップでは「ハンドメイド」や「手芸」用の陳列棚ができるほど。
もちろん、かぎ針編みに必要な道具もすべてここで揃えられます。
- 毛糸は推奨かぎ針が5~8号
- かぎ針は毛糸に合わせる
- とじ針のサイズがわからなければセットになっているものを選ぶ
ちなみに、毛糸ラベルに記載されている推奨かぎ針の号数が小さいほど毛糸が細く、大きいほど太くなります。
すでにお気づきの方もいるかもしれませんが、毛糸が太く、使用するかぎ針も太いほうが1目が大きくなるのでどんどん編み進めることができます。
細い毛糸と細いかぎ針、太い毛糸と太いかぎ針で同じ作品を編んだ時、太い毛糸と太いかぎ針で編んだ作品のほうが大きくなります。

練習用毛糸を細い糸と太い糸で悩んだ場合は、太い糸を選ぶことをおすすめします。
編み目が見やすいですし、編地がみるみる大きくなっていくので楽しいですよ。
毛糸は「ストレートヤーン」で「明るい色」

練習用に使う毛糸の形状は真っ直ぐな糸、「ストレートヤーン」で「明るい色」のものを選びます。
編みたい作品が決まっている方は、その作品と同じような太さ・素材の毛糸を選ぶと良いです。
どんな糸が使用されているかは、レシピに記載されています。
太さを合わせるのは練習後にかぎ針を買いなおす手間を省くため。
素材を合わせるのは編み心地を知るためです。
初心者さんは「ストレートヤーン」から
ひとことに毛糸と言っても、種類はたくさん。
- 超シンプル王道の「ストレートヤーン」
- 毛足が長い「モヘア」
- 芯糸にモールを巻きつけた「モールヤーン」
- 紙でできた「ペーパーヤーン」
- 糸の太さが不均一で、太い部分(スラブ)が周期的にあらわれる「スラブヤーン」
などいろいろな種類があります。
見た目のかわいさから、上記うち「モヘア」や「モールヤーン」を手にしたくなりますが、初心者の方にはおすすめできません。
編み目がわかりづらかったり、間違えてほどくときに絡まって収拾がつかなくなってしまうことがよくあるからです。
毛糸のラベルには、「ストレートヤーン」と明記されているわけではありませんが、陳列棚に並んでいる毛糸のほとんどがこの「ストレートヤーン」。
「モヘア」や「モールヤーン」を選ばないようにだけ気を付けてもらえればOKです。
編み目が見やすい「明るい色」の毛糸を選ぶ
また、選ぶ色にも注意が必要です。
暗い色の毛糸は編み目が見えづらく、編み間違いをしてしまう可能性が高くなります。
黒色の毛糸は初心者の方は避けましょう。
そのほか、次のような色も人によっては見えづらく感じるので避けたほうが無難です。
- 濃い茶色
- 濃いネイビー
基準がわからない方は、ベージュやライトグレーの毛糸玉と、購入したい毛糸玉を一緒に手に持って、顔から30㎝以上離して見てください。
購入したい毛糸がどの向きに巻かれているか、ベージュやライトグレーの毛糸と同じように見えたら大丈夫です。
かぎ針の号数は毛糸に合わせて

編みたい作品が決まっている方は、その作品と同じかぎ針を使います。毛糸と同じように、使用したかぎ針も記載されています。
かぎ針に使用されている主な素材は
- 金属
- 竹や木
- プラスチックやアクリルなどの樹脂
おすすめは「金属製」
ほかの素材に比べて毛糸の滑りがよく、引っ掛かりにくいです。
持ち手にグリップが付いていると良いですが、販売されていなければグリップなしのものでも大丈夫です。
とじ針

毛糸の太さに合わせたとじ針を選びましょう。
100円ショップでは毛糸の太さによって使い分けられる数本セットになったものも販売されているので、ちょうどいいサイズがわからなければセットのものを購入しましょう。
あればいいもの(糸切ばさみ、メジャー、段数マーカー)

ここまでかぎ針編みをするために絶対に必要な道具を紹介しましたが、ここからはあればもっと編み物がはかどる道具を紹介します。(もちろん、100円ショップでそろえられます!)
- 糸切ばさみ
小さいサイズだと持ち運びできて便利です。
- メジャー
手芸用メジャーは測定部分が柔らかく、曲線部分の長さが測りやすいです。
- 段数マーカー
今、何段編んでいるのか?編み始めてからここまで何目あるのか?を一目瞭然にしてくれる便利アイテム。なんぼあってもいいです。
かぎ針編みには着脱できるものを使用します。

段数マーカーは大きく分けると2タイプあり、輪っかのような形状をしていて、一部に小さな隙間が空いているフックタイプと、安全ピンのように針先を開閉できるものがあります。
フックタイプは毛糸が細すぎると外れてしまったり、作業中に何かの拍子で外れてしまうことがあるので、わたしのおすすめは安全ピンタイプです。
かぎ針編みを続けるなら

また、かぎ針編みに慣れてきて、「続けられそう」「もっと編みたい」と思えるなら、かぎ針はぜひメーカーのものを購入しましょう。
100円ショップのものでも問題はないのですが、メーカーのものはなめらかな編み心地を追求するために日々研究されていたり、人間工学に基づいて設計されています。
長時間・長期間にわたって編み続けるとなると、小さな編み心地が制作に影響するので購入を検討してみてください。
手芸店に行って実物を見てから購入してもよし。Amazonや楽天などで購入してもよし、です。
おすすめのメーカーかぎ針は別記事で紹介します。
基本の編み方
さて、無事に道具もそろいましたね。
次は編み目を覚えましょう。
基本になる編み方は3種類だけ。
・鎖編み(くさりあみ)
・細編み(こまあみ)
・長編み(ながあみ)
鎖編み(くさりあみ)

ループ状の編み目の中にかぎ針を差し、糸をひっかけて引き出すことでまたループ状の編み目を作ります。
編み図記号は楕円形。
繰り返すとひも状になり、これを「作り目」にして編み始める作品がたくさんあります。

また、透かし編みや方眼編みなどにも使用します。
細編み(こまあみ)

かぎ針編みで編地を作る最小の編み目。
編み図記号は×
締まった編み目で、強度があります。

「あみぐるみ」の作成に欠かせない編み目。
長編み(ながあみ)

編み物を正確に制作する際に必要な、「ゲージ」を編むときによく使われる編み目。
編み図記号はTの脚に\が入ったようになります。
編み目の面積が細編みよりも長く、編地は細編みよりも柔らかくなります。

YouTube動画を参考にする
さて、ここからは実際に編んでいきます。

編むって言ったって、さっき本を買わなかったけど、いいの?
安心してください、大丈夫です。
お手本はYouTubeに投稿されている動画です。
YouTubeには、初心者の方向けに編み方をわかりやすく丁寧に解説している動画がたくさんあります。
わたしのおすすめはこちら。
この中から自分に合いそうな動画を一度視聴してから、実際に編んでいきましょう。
編み物で最大の難関が「編み始め」
今まで何人もの初心者の方を教えてきましたが、正直本で図解を見ても初心者の方には理解できないことがほとんどです。
そして悲しいことに、かぎ針編みの最大の難関は「編み始め」。
実際に教えてくれる人が隣にいれば…
と、思ってしまうのが現実なんです。
YouTube動画のメリットは
一時停止・再生・速度調整・クローズアップが自由で、365日24時間いつでも見れること。
しかも、本では教えてくれない次のことを確認できます。
- 糸の持ち方
- それぞれの手の動き方
- かぎ針のフック部分の向き
など、初心者さんが気になることがほとんど解決できます。
もし動画を見てもわからないことがあれば、コメント欄を開いてみましょう。
同じ疑問を持った方がすでに質問をしているかもしれません。
お守り代わりのレシピ本
YouTube動画で基本の編み方を理解した方は、お守り代わりに編み方が掲載されているレシピ本を購入してもいいでしょう。
一度動画で編み方を抑えているので、次回からは図解でも理解できるようになります。
基礎本でももちろんいいのですが、初めに購入するのは気に入った作品が掲載されているレシピ本がおすすめ。
ほとんどのレシピ本には巻末に編み始め方、基本の編み方、編み終わり方など、その本の中で使用する技法が掲載されています。
レシピ本は、街の本屋さんやネットショップで購入できます。

季節によって本屋さんに陳列されているレシピ本は入れ替わるので、定期的に覗いてみるのも楽しみのひとつです。
本購入に勇気が必要な方は、お住まいの地域の図書館に行ってみましょう。意外とたくさん編み物本が所蔵されていますよ。
結論

これからかぎ針編みを始める超初心者の方は、まずお近くの100円ショップでかぎ針・毛糸・とじ針を購入しましょう。
おすすめの毛糸は推奨かぎ針号数が5〜8号のもの。
かぎ針も5〜8号を選びますが、必ず毛糸の推奨かぎ針号数に合わせましょう。
ここで購入する毛糸は練習用です。
日常使いできるコースターなどの小物を編んで、基本的な編み方3種類をマスターしましょう。
編みたいものが決まっている方は、その作品を編むことを目指してかぎ針と毛糸を選ぶとよいです。
3種類の基本的な編み方や、編み始め方はYouTubeに投稿されている動画を参考にしましょう。
初心者さんがつまづく毛糸やかぎ針の持ち方・手の動かし方を納得いくまで確認できます。
難関「編み始め」を攻略して、かぎ針編みを楽しんでくださいね。
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